shimy-shimizuの日記

読書会を主催しております、シミーです。文化系のモノゴトを中心に、妄想を繰り広げております。

中身のない話をしよう。できれば夜通ししよう。

昨日は、ジョージ・オーウェル『動物農場』読書会を主催し、午後はOP会で片岡氏『アベノミクスのゆくえ』読書会でファシってきた。皆様ありがとうございました。

唐突ながら。

「中身のない会話」って、大事だと思う。

昨日の飲み会の席、酔っ払いながら『恋愛市場の量的緩和を行うべきですよっ!
恋愛不器用男子・女子に対応した「機動的な」成長戦略を描きましょうよっ!』と意味不明に盛り上がっていた。なんかこう、人間関係は互いに思い入れがありすぎるとしんどいのだと感じる。かけた時間、考えた労力のことをどうしても態度に出してしまい、相手に対して「見返り」を求めてしまう。性急な返信を求める関係はしんどいし長続きしない。

僕が読書会業界に3年以上(もう4年目っ!)もお世話になっているのは、そうしたわずらわしさが伴わず、かといって怜悧すぎもしない、生暖かい関係性が肌に合っているのだと思う。

今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、話題を変えよう。魔法少女の話をしよう。

「月に代わってぇ~…お仕置きよっ!」

セーラームーンは代理人だ。月と何らかの代理契約を交わしていて、その代理権の範囲内であれば責任は月が負う。女子の変身願望を満たす素地を社会はきっちり用意していた。可愛い子を大企業の事務職に、寿退社を前提に入社してもらう、とか。可愛らしいお化粧をすれば見返りが外見にはあるように装飾されていた社会の魔法少女。

90年代になった。さらにはゼロ年代になった。

魔法少女リリカルなのは』を観てみる。

新たな問題が発生している。友だちをいかに作るか問題。
初期のなのはは、フェイトという女の子と友だちになるべく、しかしフェイトは敵方として登場してくるので、説得しながら戦うみたいな役割を担っている。
いわゆる、大きな物語が喪失し、個人の趣味嗜好がバラバラになり、価値観が細分化した中で全方位型の友だちを作る困難性。

さらに物語が進むと、なのはは大人になり、なんか魔法省的な組織の「機動六課」の隊員として後輩を育成し、さらに成り行きで孤児を育てている。もう、派遣社員としてもとりあえず働かなきゃいけないし、家族の面倒(介護や育児)もしなきゃいけない女性像が描かれている。

ところで先の、友だちをいかに作るか問題は『ふたりはプリキュア』にも同様に描かれていて、それは、「プリキュアってだけで、友達でも何でもない!」とほのかに怒りをぶつけるなぎさのコトバにも端的に描かれている。部活の子、塾の子、ネットで知り合った子、という一時的で刹那的な関係性の時代の魔法少女。

さらに下ろう。『魔法少女まどか☆マギカ』を観よう。

そこでは、まどかの「選択」が重要なテーマになっている。そもそも、魔法を手にしてどうするの?と先輩である巴マミはまどかに問い、佐倉杏子は半端な気持ちで魔法少女になんかなるなと諌める。もうねー、セーラームーン世代の「代理権」を伴った変身は許されていない。自己責任と、生き方の選択。そうした新自由主義的な世界観のなかで達成されるまどかの選択。

魔法少女モノを観れば社会の流れが分かる気がするし、なんかこう、友だちができないとか言って悩む女の子っていいよね。

なんて中身のない話なんだ。。。絶望したっ!

中身ないついでにもう一つ。他人をディスる(批判する)時には、愛を持って(笑)を伴ってディスるって話。

たとえば、人前で自身の「ダメさ」を語れる人は勇気があるし、大人だ。まーダメな話ばっかりしていると流石に場の雰囲気が間延びするのであれだけれど、小出しに自分の「ダメさ」を語れる人を僕は愛したいと思うし、そこで出されたパスを的確に精確にゴールに持っていく必要があると使命感を持っている。僕は愛を持ってディスるし、場の空気感に合わせた(笑)をできる限り提供していきたい。頑張って拾う。

そこで、出されたパスを馬鹿正直に受けるだけでパスを回さない人がいるとしよう。他人と比較して、自身の優位性を確認しているナルシストのことだ。ナルシストに対しては、生暖かい目で成長を見守ればいい。そのうちパスがこなくなることに気付く時がくるし、気付かなかったらまぁそれはそれで人の一生だ。

「難しいことを難しいまま言うやつ、あれ、馬鹿だよね」by タモリ

堅苦しいことをやわらかく。近代日本の社会情勢(女性の社会進出)をやわらかく語るために、魔法少女アニメを引き合いに出すこと。問題に対する着眼点と、それに対応したコンテンツのつなげ方は僕の明確な武器だと思っていて、まあともかく面白いことが好きなのだなホントに。

来月は、E.H.カー『歴史とは何か』らしい。いやもうこれ絶対面白くなるし面白くできるコンテンツである。